登山

南アルプスの聖岳から赤石岳を縦走

登山

7月下旬、南アルプスの聖岳から赤石岳を縦走したレポートです。
とにかく、南アルプスは山深く一つ一つの山が大きくて、すぐそこに見えているのになかなか着かないという印象です。
しかし、周りの山々の景色は素晴らしく、どちらも南アルプスの魅力なんだなと納得です。

yamaiti

この山行の詳細なデータはこちらをご覧下さい!

行程

[一日目] 聖平小屋まで樹林帯の中を約7時間ひたすら歩く
[二日目] 聖岳登頂後、兎岳等稜線歩きを楽しみながら百間洞山の家に向かう
       ※翌日の天気予報は雨、熱帯低気圧も接近中とのことで、日程変更し
        当初予定していた悪沢岳への縦走は中止する
[三日目] 赤石岳登頂後、椹島に向かって下山する

初めての南アルプス

白樺荘に前泊

登山初日の朝一のバスに乗るために、畑薙第1ダム手前の白樺荘に前泊します。
ここの宿泊料金は1泊2食で6,550円、受付の対応も温かみのある感じで良かったです。
また、日帰り入浴もできますので下山後に汗を流せます。

夕食は豪華ではないですが、揚げたての魚など美味しくいただきました。

1日目

まずは、畑薙第1ダム夏季臨時駐車場(無料)に駐車し、東海フォレストの無料送迎バスに乗車します。
なお、この送迎バスに乗るためには、同社が運営する山小屋に宿泊することが条件です。
そして、バスの中では、落石に備えて備え付けのヘルメットの着用が求められます。
なので、林道を走っていると、道路上の落石を除去するために時々バスが停車します。

登山開始

バスに乗車後、約1時間走って聖岳登山口に到着します。
なんと、同社のHPでは椹島まで途中下車はできないと案内してありましたが、聖岳の登山口で下ろして貰えました。
これで、椹島から登山口までの約1時間の歩行時間を短縮できました。

聖平小屋まで 1/7 GO!
なお、1/7は全行程7時間の進行状況を表しているのじゃないかと思います。

さて、鬱蒼とした樹林帯の中を歩いて行きますが、単調で変化に乏しいです。

途中では、何箇所か吊り橋を渡ります。
この橋は定員5人、1人で渡っていても結構揺れます。

そして、滝見台から見るこの滝が、今日の行程中唯一の展望があるところでした。

聖平小屋まで6/7 もうすぐ!
だけど、ここまでずっと樹林帯の中を歩いているので、もう飽きてきてます。

聖平小屋

ようやく、聖平小屋に到着です。
ここは素泊まりで9,000円(シュラフ込み)/1人です。
小屋の中は、まだ新しく清潔に掃除されていて気持ち良いです。
また、寝場所の前にロープが渡してあり、ハンガーも用意してあるので汗で濡れた行動着を乾かすことができます。

そして、夕陽が小屋の正面の山あいに沈んでいきます。

ところで、聖平小屋は食事の提供をしないということで2022年から営業再開されてます。
なので、受付時に食堂の利用時間を指定されますので、その時間内で自炊します。
なお、朝は先着順で使えます。

2日目

まずは聖平の湿地帯に敷かれた木道を進んでいきます。
そして、木道の終点から聖岳に向かって登り始めます。

登山道は危険な箇所もなく歩きやすい道が続きます。
そして、小屋から1時間強で標高2,662mの小聖岳山頂に到着です。
子聖岳の山頂からは正面に聖岳を望むことができます。
ここから見る聖岳はでかくて端正な形の山です。

さらに、富士山の綺麗なシルエットも見えました。

聖岳

小聖岳から1時間弱で標高3,013mの聖岳に到着です。
そして、団子の標柱の向こうに赤石岳が見えています。
すぐ隣に見えるので近そうに感じますが、実際歩くと高低差もありますし遠くてなかなか着きません。

奥聖岳

さて、聖岳にザックをデポして、奥聖岳に足を伸ばしてみます。
なお、奥聖岳の頂きに向かって林道から尾根伝いに冬道がついているのが山頂から見えます。
見える範囲でははっきりと道が確認できましたが、樹林帯の中は道が明瞭なのかどうか怪しい感じがします。

これから歩く稜線は左側で、肉眼では真ん中の谷沿いに百間洞山の家が確認できます。
また、右手の平なところは百間平です。
ここから小屋までかなり高度を下げていきますので、赤石岳に向かっての登り返しがキツそうです。

兎岳

兎岳山頂直下まで来ると、登山道から少し離れた位置に兎岳の避難小屋が見えます。

そして、聖岳から素晴らしい景色を眺めたりしながら約2時間歩いて標高2,818mの兎岳に到着です。
振り返ると聖岳の勇姿と歩いてきた稜線が見えます。

小兎岳

さらに、兎岳から1時間ちょっと歩いて小兎岳に着きました。
途中、登山道から5分程度下ったところにある水場で飲んだ水は冷たくてまろやかで抜群に美味しかったです。
なお、ここから見る聖岳もカッコいいです。

ここから、聖岳とその先に繋がっている稜線を目で追ってみると、随分山深いところまで来たと感じます。

百間洞山の家

さて、小兎岳から中盛丸山を経由して大沢岳に取り付く辺りで百間洞山の家に向かって右手にトラバースして行きます。
歩き始めてすぐに樹林帯に入り、40分程度で山の家が見えてきます。
ここの宿泊料金は1泊2食12,000円/1人です。

さて、山の家の夕食は定番のとんかつ定食です。
こんな山深いところで美味しいトンカツを提供してくれることに感謝です。
これを食べてエネルギー補給が十分できました。

3日目

早朝、歩き始めは急登ですが、1時間ほど登ると百間平に着きます。
この日は、時折霧雨でしたので虹が見える時がありました。

そして、百間平は文字どおり広くて平らなところです。
この時は、正面の赤石岳に雲がかかり山頂が薄っすらと見え隠れしています。

さらに近づくと、赤石岳山頂に向かって赤い山肌をトラバースしながら上がっている道が確認できます。

赤石岳

百間洞山の家から2時間30分程度歩いて赤石岳避難小屋に到着です。
ここの避難小屋は管理人が常駐していて、宿泊は素泊まり10,000円です。
なお、定員は15名と少なめですのでなかなか予約がとれないようですが、ここから見るご来光は素晴らしいとのことです。

そして、小屋のすぐ目の前にある標高3,121mの赤石岳に着きました。

小赤石岳

さて、赤石岳から椹島に下りる分岐にザックをデポして小赤石岳まで足を伸ばしました。
ここの区間の歩行時間は30分程度です。
当初、縦走を予定していた悪沢岳方面はガスの中に隠れていて、時折その姿を見せてくれます。

そして、ザックをデポした分岐まで戻り、椹島に向かって約5時間30分の長丁場になる下山を開始します。

下山途中、登山道脇にギンリョウソウ(銀竜草:別名ユウレイタケ)が咲いてました。
この独特な姿は、単調な樹林帯の歩きに飽きてきたところにちょっとした喜びを与えてくれました。

その後降り出した雨を避けて赤石小屋で休憩しながら軽く昼食も食べます。
その間に小降りになってきたのでトレッキング用の傘をさして歩行を再開しました。
ところが、雨で濡れた黒い石が枯葉に隠れていてるのが薄暗い森の中ではよく見えなくて突然にスリップします。

ようやく、樺段まで下りてきました。
ここは赤石小屋と椹島との中間になります。
なお、雨はやんでるものの森の中は薄暗くて足元がよく見えないので、黒い石に乗っかってスリップすることがあります。

さらに歩いて1/5まで来ました。

ようやく登山口まで下りてきました。
そして、今日は雨予報でしたがほとんど降ることもなく歩き切ることができ感謝です。

おわりに

南アルプス南部は初めてでしたが、大きな山々を一つ一つ登頂していく達成感は北アルプス以上のものがありました。
南アルプスは、山が大きく深いので1日の行動時間が長くなり、結果、朝の活動開始時間も早くなります。
でも、1日歩いて疲れた体で山小屋に着くと、美味しい食事を提供してもらい、翌日への元気を回復することができます。
どこの山小屋もコロナ禍で大変だと思いますが、登山者を暖かく迎え入れていただきとても感謝しています。
南アルプスは、まだ歩いていない山があるので、またチャレンジして山小屋に行こうと思います。